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不確かさの見積もりに関するガイド(高分子引張試験) JNLA公表・公開文書 | 適合性認定 | 製品評価技術基盤機構

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(1)

JNG320S0601-03

JNLA 不確かさの見積もりに関するガイド

登録に係る区分:高分子引張試験

(第3版)

改正:平成27年2月25日

独立行政法人製品評価技術基盤機構

認定センター

(2)

この指針に関する全ての著作権は、独立行政法人製品評価技術基盤機構に属します。この

指針の全部又は一部転用は、電子的・機械的(転写)な方法を含め独立行政法人製品評価技

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(3)

目次 ページ 1 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2 適用範囲 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3 プラスチックの引張試験の操作例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 4 測定の不確かさの要因 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 5 不確かさの見積もり方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 5.1 計測機器の校正の不確かさについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 5.2 測定不確かさのタイプ A 評価(MPa) ��(�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 5.3 測定不確かさのタイプ B 評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 5.3.1 評価項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 5.3.2 不確かさ見積もり手順 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 5.4 合成標準不確かさ(MPa) (�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 5.5 拡張不確かさ(MPa) �(�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 6 不確かさの見積もり事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 6.1 試験所の試験室内評価実験による見積もり事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 6.1.1 測定不確かさのタイプ A 評価の標準不確かさ(MPa) ��(�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 6.1.2 引張応力の標準不確かさ(MPa) ��(�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 6.1.3 合成標準不確かさ(MPa) (�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 6.1.4 拡張不確かさ(MPa) �(�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 6.1.5 バジェットシート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 6.1.6 拡張不確かさの表記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 6.2 依頼試験(試験報告書に不確かさの表示の要求があった場合)の見積もり事例 ・・・・・・・・・・・・・・・ 17 6.2.1 測定不確かさのタイプ A 評価の標準不確かさ(MPa) ��(�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 6.2.2 引張応力の標準不確かさ(MPa) ��(�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 6.2.3 合成標準不確かさ(MPa) (�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 6.2.4 拡張不確かさ(MPa) �(�) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 6.2.5 バジェットシート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 6.2.6 拡張不確かさの表記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 7 参考文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 今回の改正のポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

(4)

1 はじめに

JNLA における登録試験事業者は、ISO/IEC 17025「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」への適合が要求さ れており、その要求事項の一つとして測定の不確かさの推定がある。

不確かさの推定については、ISO/IEC Guide 98-3:2008「測定における不確かさの表現のガイド」(Guide to the expression of uncertainty in measurement) (以下「GUM」という。)によって理論的な根拠が確立されているものの、実際の試験において不確か さを算出するには適用が難しい面もあり、詳細については各試験所の判断に委ねられている。そのため、同一の試験であっても、 要因分析等の詳細については、試験所ごとに異なるのが現実である。

このガイドでは、JNLA において化学品分野に分類されている試験の中から、JIS K 7161-1:2014「プラスチック-引張特性の求 め方-第1部:通則」(以下「JIS K 7161-1」という。)を取り上げ、測定の不確かさの算出について一つの例を示すものである。

なお、このガイドは、あくまでも測定の不確かさについての理解を深めるための一つの例であり、不確かさの算出をここに示す方 法に限定しているものではない。

2 適用範囲

このガイドは、化学品分野の高分子引張試験に分類された試験方法のうち、JIS K 7161-1 の 10.1 応力(単位は、メガパスカル (MPa)で示す。)及び 9.2 試験片寸法における測定の不確かさの見積もりに適用することができる。

3 プラスチックの引張試験の操作例

このガイドでは、試験片は、以下の通り操作する。 a) 試験片の作製

試験片は、JIS K 7161-2:2014「プラスチック-引張特性の求め方-第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチックの試験条 件」(以下「JIS K 7161-2」という。)の 6.2 にしたがって作製される。

b) 状態調節及び試験環境

試験片は、JIS K 7100:1999「プラスチック-状態調節及び試験のための標準雰囲気」(以下「JIS K 7100」という。)の 4. 標準雰 囲気の表 1 の標準雰囲気(23/50)及び 5.2 標準雰囲気の 2 級許容差(±2 ℃、±10%)にしたがって、温度 23 ℃±2 ℃、相対 湿度 50 %±10 %で状態調節及び試験される。

c) 試験片の寸法

このガイドでは、JIS K 7161-2 の表 1 に規定する「1B 形」(狭い部分の幅 10.0 mm(呼び)及び厚さ 3.0 mm(呼び)(1))を用いた。ま た、寸法の測定について、JIS K 7161-1 の 9.2 試験片寸法では、「JIS K 6250 又は JIS K 7153 に従って、求める」と規定されてい るため、JIS K 7153:2008 の 5.2 の表 1-寸法測定の正確度に規定する必要な正確度に従い、各試験片の中央及び標準間距離 の両端から 5 mm 以内のところで、幅 b が 0.1 mm まで、厚さ h が 0.02 mm まで測定することとした。

d) 応力の計算

特性値のうち、JIS K 7161-1 の 10.1 応力のみを取り扱う。このガイドで適用する不確かさの伝播則を参考にひずみの計算、弾 性率の計算及びポアッソン比の計算にも適用できる。

(5)

引張応力は、次の式(1)によって算出する。

� = (1)

ここで、

� :引張応力(MPa)(2)

:測定荷重(N)

� :試験の初めの断面積(mm2) である。

e) 有効数字

引張応力は、JIS K 7161-1 の 10.6 有効数字にしたがって 3 けたまで計算する。

注(1): 推奨厚さは、4.0 mm±0.2 mm である。

注(2): 引張応力「S」について、JIS K 6171-1 では、「�」と表記されているが、このガイドで標準偏差に同じく「�」で表記すると記 号の衝突が起こるため、「S」と表記する。

4 測定の不確かさの要因

一般に、試験方法の不確かさの要因を考えるときは、操作手順、方法の妥当性、測定のトレーサビリティ等を考慮することとして いるが、妥当性を評価した結果 JIS 規格として制定されているので、不確かさの見積もりのため改めて方法の妥当性を検討する必 要はない。JNLA 化学品分野の高分子引張試験における不確かさの要因としては、以下のとおり 5 種類に大別する。

a) 試験環境に起因する不確かさ 1) 状態調節及び試験室の試験温度 2) 状態調節及び試験室の相対湿度 b) 計測機器に起因する不確かさ

1) 温度計の校正 2) 温度計の分解能 3) 測長器の校正

3.1) ノギスの校正 3.2) マイクロメータの校正 4) 測長器の分解能

4.1) ノギスの分解能 4.2) マイクロメータの分解能 5) 引張試験機の校正 6) 引張試験機の分解能

7) 引張試験機のクロスヘッド速度精度 c) 試験者に起因する不確かさ

1) 試験片に対する測長器の当て方又は強さ 2) 測長器の目盛りの読み方

3) 試験片作製作業

4) 引張試験機への試験片の取り付け作業

(6)

5) 予備荷重 6) つかみ具間距離 7) 試験作業

d) 繰り返し測定に起因する不確かさ 1) 厚さ測定の繰り返し

2) 幅測定の繰り返し 3) 引張強さ試験の繰り返し

e) 試験方法の結果の表示に起因する不確かさ 1) 寸法表示(幅)

2) 寸法表示(厚さ)

5 不確かさの見積もり方法

5.1 計測機器の校正の不確かさについて

試験所は、計測機器の校正の不確かさを見積もる場合、計測機器の校正結果を試験にどのように反映しているかによって以下 の二つのケースから選択して見積もることができる。

a) 試験所が校正された計測機器又は標準物質の校正値で測定機器を補正する場合

計測機器の校正証明書等から入手した不確かさを適用する。本ガイドでは、校正を要する測定機器を引張試験機及び測長器 として、校正証明書等から入手した不確かさを適用する。

b) 試験所が計測機器の校正値を補正しない場合

試験所が計測機器の校正値で補正せずに読み値をそのまま試験結果として採用し、同時に計測機器の校正値がその不確かさ も含めて試験所自身が取り決めた管理範囲内にあれば使用可と判断していることがしばしばある。特に、同一仕様の計測機器を 多数保有している試験所においては、計測機器の校正値を補正し、試験結果に反映させることは作業が繁雑となり、ヒューマンエ ラーを起こす可能性も高くなる。この場合、計測機器の校正の不確かさは試験所自身が取り決めた計測機器の管理範囲において 矩形分布すると仮定して求める。

5.2 測定不確かさのタイプ A 評価(MPa) ��(�)

引張試験は、破壊試験であることから、一個の試験片で繰り返しの不確かさを評価できないので、できる限り均質な試験片を作 製したという条件で、同一ロットから無作為に取られたばらつきの少ないサンプルの繰り返し性を評価する必要がある。

本ガイドの引張試験は、JIS K 7161-2 の 6.2 の規定にしたがって作製され、同一ロットから無作為に取られた試験片は、採取部 位による特性値(引張強さ及びひずみ等)のばらつきを無視できると仮定する。

(7)

試験片を n 個採取し、引張り強さ (MPa, i = 1, 2, 3,・・・, n)が得られれば、この数値群に対して、平均値及び推定母標準偏差�� を計算することができる。これらから繰り返しの測定不確かさのcA(�)は、

�̅ = 1� � �

�=1

(2)

��(�) = 1

√� − 1��(�− �̅)2

�=1

(3)

cA(�) =��(�)

��a (4)

によって求められる。 ここで、

�̅ :引張強さの平均値(MPa)

n :試験片の個数

��(S) :引張強さの推定母標準偏差(MPa)

cA(�) :試験片 na個を想定したときの平均値の引張強さの標準不確かさ(MPa) である。

この測定不確かさを評価するためには、試験片 10 個以上の繰り返し測定を行うことを推奨する。

a) 試験所の試験室内評価実験と中間測定精度の解析

試験所では、4 つの重要な因子(時間、校正、オペレータ、装置)が測定のばらつきに寄与していると考え、試験所の状態を以下 のとおり、表 1 にまとめた。

表 1 4 つの重要な因子とその状態

因子 試験室内の測定条件

状態 1(同じ) 状態 2(異なる)

時間(T) 同じときに行われた測定(該当) 時間を変えて行われた測定 校正(C) 測定の間には校正は行わない(該当) 測定の間には校正が行われる

オペレータ(O) 同一オペレータ 異なるオペレータ(該当)

装置(E) 再校正を行わない同一装置(該当) 異なる装置

試験所では、4 つの因子を全ての条件を検討する再現精度を求めるのではなく、中間条件として均一と仮定した測定試料、同じ 時間、同じ校正を用い、同じ装置で、オペレータ(O)が異なるものを用いて独立な測定結果を測定の中間条件とした。

[オペレータ]が異なる中間標準偏差の推定値は、次のとおり定義する。

I(O)= 1

√� − 1��(�− �̅)2

�=1

(3.1)

1) 状態調節及び試験環境の要因

試験片が温度 23 ℃±2 ℃、相対湿度 50 %±10 %で状態調節及び試験環境の要因は、引張強さ試験の繰り返し不確かさ

cA(�)に含めることとした。ただし、このガイドでは、温度環境の変動が寸法に与える要因として温度変動による寸法標準不確かさ

(8)

(mm) �(�T)及び�(ℎT)を特定し、タイプ B の不確かさとして考慮することとした。温度変動による寸法標準不確かさ(mm) �(�T) 及び�(ℎT)は、幅 b 及び厚さ h の不確かさに及ぼす影響が十分小さいことが確認できれば省略できる。

2) 試験者

以下の不確かさの要因は、引張強さ試験の繰り返し不確かさcA(�)に含めることとした。 2.1) 試験片に対する測長器の当て方又は強さ

2.2) 測長器の目盛りの読み方 2.3) 試験片作製作業

2.4) 引張試験機への試験片の取り付け作業 2.5) 予備荷重

2.6) つかみ具間距離 2.7) 試験作業

3) 寸法測定の繰り返し不確かさ

以下の不確かさの要因は、引張強さ試験の繰り返し不確かさcA(�)に含めることとした。なお、このガイドの 3 c) 試験片の寸法 に従って「幅 b が 0.1 mm まで、厚さ h は 0.02 mm まで測定することとした。」のとき、寸法測定の繰り返し不確かさは、ほぼ無視で きる。ただし、寸法表示の不確かさは、タイプ B の評価を行う。

3.1) 厚さ測定の繰り返し 3.2) 幅測定の繰り返し

b) 依頼試験(試験報告書に不確かさの表示の要求があった場合)

状態調節及び試験環境(温度及び相対湿度)、試験者及び寸法測定の繰り返しのそれぞれの不確かさについては、5.2 a) 1)か ら 3)と同様である。

引張強さ及び不確かさの算出を要求する依頼試験を受託した場合、測定不確かさのタイプ A 評価には、原則 1 名の試験片作 製オペレータ及び1名の引張試験オペレータで行い、採取試験片の個数を 10 個の繰り返し測定を行うこととした。

5.3 測定不確かさのタイプ B 評価

5.3.1 評価項目

このガイドに示す引張試験の不確かさの見積もり事例は、数式モデルとして表現できる試験方法であり、「JNLA の試験における 測定の不確かさの適用に関する方針」で規定するカテゴリー分類第Ⅲ類「定量試験 B」に該当すると考えられる。

引張強さの不確かさのタイプ A 評価以外のすべての得られる情報には、校正証明書、製造者の仕様書、計算、公表されている 情報(JIS 規格類の結果の表示方法等)がある。これらの情報の値の単位は、質量、力、長さ及び環境(温度)があり、そのままでは 引張強さ( MPa )の合成標準不確かさを求めることができない。

このガイドでは、複数作製された試験片から得られる繰り返しの測定不確かさのタイプ A 評価以外の方法で決定される測定成分 の評価をタイプ B 評価として、式(1)に不確かさの伝播則を適用し、以下の順に標準不確かさを求めることとした。

a) 測定荷重の標準不確かさ(N) �(�) b) 断面積の標準不確かさ(mm2) �(�) c) 引張応力の標準不確かさ(MPa) cB(�)

(9)

5.3.2 不確かさ見積もり手順

5.3.2.1 測定荷重の標準不確かさ(N) �(�)

引張試験機の校正の標準不確かさ(N) �(uc)及び引張試験機の分解能の標準不確かさ(N) �(ur)を考慮する。クロスヘッド速 度精度の不確かさは、考慮しないで、繰り返しの不確かさに含める。

よって、測定荷重の標準不確かさ(N) �(�)は、以下の式から求められる。

2(�) = �2(uc) +2(ur) (5)

5.3.2.2 断面積の標準不確かさ(mm2) �(�) a) 測定のモデル式

試験の初めの断面積 A(mm2)は、以下の式から求められる。

� = �ℎ (6)

ここで、

A :試験の初めの断面積(mm2) b :幅(mm)

h :厚さ(mm) である。

b) 不確かさ要因

1) 幅測定の標準不確かさ(mm) �(�)

標準不確かさ �(�)の要因は、以下の通りとした。

1.1) 測長器(例:ノギス)の校正標準不確かさ(mm) �(cc) 測長器の校正証明書より求める。

1.2) 測長器(例:ノギス)の分解能の標準不確かさ(mm) �(cr) 測長器の最小目盛りの半値幅とする。

1.3) 温度変動による寸法(幅)の標準不確かさ(mm) �(�T) 状態調節及び試験室の試験温度の変動及び膨張係数から求める。

温度計の校正の標準不確かさ(℃)については、幅測定の標準不確かさ �(�)に対して、その校正の不確かさに熱膨張係数を乗 じた値の影響が十分小さいので無視することとする。

1.4) 寸法表示(幅)の標準不確かさ(mm) �(�s) 規格票又は手順書に規定された表示から求める。 2) 厚さ測定の標準不確かさ(mm) �(ℎ)

標準不確かさ �(ℎ)の要因は、以下の通りとした。

2.1) 測長器(例:マイクロメータ)の校正標準不確かさ(mm) �(mc) 測長器の校正証明書より求める。

2.2) 測長器(例:マイクロメータ)の分解能の標準不確かさ(mm) �(mr) 測長器の最小目盛りの半値幅とする。

2.3) 温度変動による寸法(厚さ)の標準不確かさ(mm) �(ℎT)

(10)

状態調節及び試験室の試験温度の変動及び膨張係数から求める。

温度計の校正の標準不確かさ(℃)については、幅測定の標準不確かさ �(ℎ)に対して、その校正の不確かさに熱膨張係数を乗 じた値の影響が十分小さいので無視することとする。

2.4) 寸法表示(厚さ)の標準不確かさ(mm) �(ℎs) 規格票又は手順書に規定された表示から求める。

c) 不確かさの伝播則

式(6)に不確かさの伝播則を適用した式を式(6.1)に示す。

2(�) = �∂�∂��22(�) + �∂�∂ℎ�22(ℎ)

=22(�) + �22(ℎ) (6.1) ここで、2(�)及び�2(ℎ)について、以下の算出式により求められる。

2(�) = �2(cc) +2(cr)+ 2(�T) + �2(�s) (6.1.1)

2(ℎ) = �2(mc) +2(mr) +2(ℎT) + �2(ℎs) (6.1.2)

5.3.2.3 引張応力の標準不確かさ(MPa) ��(�)

a) 引張応力測定のモデル式

式(1)を引張応力測定のモデル式とする。 b) 不確かさの要因

1) 測定荷重の標準不確かさ(N) �(�)

式(5)で求めた測定荷重の標準不確かさ(N) �(�) 2) 断面積の標準不確かさ(mm2) �(�)

式(6.1)で求めた断面積の標準不確かさ(mm2) �(�) c) 不確かさの伝播則

式(1)に不確かさの伝播則を適用した式を式(1.1)に示す。

cB2 (�) = �∂�∂��22(�) + �∂�∂��22(�)

=1

��

22(�) + �−222(�) (1.1)

ここに、

cB(�) : 引張応力の標準不確かさ(MPa) F :測定荷重の平均値(N)

A :試験片の初めの断面積の平均値(mm2)

�(�) :測定荷重の標準不確かさ(N)

�(�) :断面積測定の標準不確かさ(mm2)

(11)

5.4 合成標準不確かさ(MPa) (�)

合成標準不確かさ (�)は、式(4)及び式(1.1)から求めた値を合成して、

c2(�) = �cA2 (�) + �cB2 (�) (7) によって求められる。

ここで、

c(�) :合成標準不確かさ(MPa)

cA(�) :繰り返し採取した試料測定の推定標準不確かさ(MPa)

cB(�) :引張試験における測定不確かさのタイプ A 評価以外のすべての得られる情報(校正証明書、製造者 の仕様書、JIS 規格の表示方法及び温度等から合成した標準不確かさ(MPa)

である。

5.5 拡張不確かさ(MPa) �(�)

拡張不確かさ �(�)は、式(7)から求めた合成標準不確かさ �c(�)に包含係数 k=2 を乗じた値とする。

�(�) = � × �c(�) 包含係数 k=2 とした拡張不確かさ (8)

6 不確かさの見積もり事例

ここでは、実際の不確かさ算出事例について、2 例示す。

6.1 試験所の試験室内評価実験による見積もり事例

6.1.1 測定不確かさのタイプ A 評価の標準不確かさ(MPa) ��(�)

ある試験所では、定義された測定条件下で得られる測定された値の統計解析による測定不確かさの成分の評価を、以下のとお り実施した。

a) 中間測定精度

試験所では、4 つの重要な因子(時間、校正、オペレータ、装置)が測定のばらつきに寄与していると考え、均一と仮定した測定 試料について同じ方法を用い、同じ試験室で、同じ時間で、オペレータが異なるものを用いて独立な測定結果を測定の中間条件

(4 つの因子のうち 1 つの因子に限定)とした。

試験片作製オペレータ 2 名(W=2)及び引張試験オペレータ 3 名(D=2)により、採取試料 5 個ずつ測定を行い合計 30 回(>10 回)の実験を実施し、表 2 に示す結果を得た。

(12)

表 2 試験所内比較試験結果(3)

試験片作製者 W1 試験片作製者 W2

MPa 試験の順番 MPa 試験の順番

試験者 D1

38.5 (20) 38.9 (5) 38.4 (21) 38.9 (27) 36.4 (6) 38.5 (17) 37.9 (14) 39.2 (23) 38.3 (7) 38.8 (15)

試験者 D2

38.2 (3) 38.7 (22) 38.2 (29) 39.1 (12) 38.5 (26) 38.9 (25) 38.6 (18) 38.4 (24) 39.1 (11) 38.5 (30)

試験者 D3

38.5 (16) 38.4 (4) 38.0 (1) 37.6 (2) 39.0 (8) 38.1 (10) 38.8 (13) 37.6 (9) 38.8 (28) 37.6 (19)

試験全体の繰り返し回数 30

試験者の人数(水準) 3

試験片作製者の人数(水準) 2

一人当たりの繰り返し回数 5

引張強さの和 1152.4 MPa

測定荷重の平均値 1124 N

試験片の初めの断面積の平均値 29.2530 mm2

引張強さの平均値 38.41 MPa

引張強さの標準偏差 0.584 MPa

試験報告書あたりの試験片作製者の人数 1

試験報告書あたりの試験者の人数 1

試験報告書に記載する報告値の平均値の個数 5

注(3) 表中のデータは実際の測定に基づくものではなく、架空のデータである。

b) 繰り返しの標準不確かさ(MPa) ��(�)

表 2 の結果から、複数採取した試験片の引張強さ測定値が 30 個(W×D×n=30)あり、その全体の推定母平均値 �̂ 及び中間 標準偏差の推定値 �I(O) を求めたところ、

�̂ = 38.41 MPa

I(O) = 0.584 MPa であった。

試験所の受託試験にけるルーチン業務の手順書では、1 名の試験片作製オペレータが 5 個を採取作製し、1 名の引張試験オ ペレータが 5 個測定し、n=5 の平均値を求めて試験報告値を作成することになっていた。よって、ルーチン業務での採取試験片 5 個の測定の標準不確かさ cA(�) を想定して、式(3.1)及び式(4)を適用し √5 で除して求めた。

cA(�) =I(O)

√� = 0.584

√5 = 0.261 MPa (9)

(13)

6.1.2 引張応力の標準不確かさ(MPa) ��(�)

6.1.2.1 測定荷重の標準不確かさ(N) �(�)

測定荷重の標準不確かさ �(�)は、以下の手順で二つの標準不確かさの合成として求められる。クロスヘッド速度精度、予備荷 重及びつかみ具間距離は試験結果のばらつきに含め、タイプ B 評価の対象から除外した。

a) 引張試験機の校正不確かさ(N) �(��)

引張試験機の校正証明書より、拡張不確かさ(U)は 0.14 %(包含係数 k=2)であった。表 2 試験所内比較試験結果で引張強さ 試験の繰り返し不確かさを求めたとき測定荷重の平均値が 1124 N であった。よって、

�(uc) =�(%) 2 ×

1

100(%)× 1124 N = 0.14%

2 × 1

100(%)× 1124 N = 0.787 N である。

b) 引張試験機の分解能の標準不確かさ(N) �(��)

引張試験機の分解能は、1 N であった。その半値幅から標準不確かさ �(ur)を求めると、

�(ur) =1 N2 × 1

√3= 0.289 N である。

c) 標準不確かさ(N) �(�)

これまで求めた標準不確かさ �(uc)及び�(ur)を式(5)に代入し、測定荷重の標準不確かさを求めると、

�(�) = ��2(uc) +2(ur) =�0.7872+ 0.2892= 0.838 N (10) である。

d) バジェットシート バジェットシート 1

記号 不確かさの要因 標準不確かさ 感度係数 標準不確かさ 備考

�(uc) 引張試験機の校 正不確かさ

0.787 N 引張試験機の校正証明書より、拡張不確か

さ(U)は0.14 %(包含係数k=2)であった。測 定荷重の平均値が1124 Nであった。

�(ur) 引張試験機の分 解能の標準不確 かさ

0.289 N 引張試験機の分解能は、1 N

�(�) 測定荷重の標準不確か 0.838 N 1 0.838 N

6.1.2.2 断面積測定の標準不確かさ(mm2) �(�) a) 幅測定の標準不確かさ(mm) �(�)

標準不確かさ �(�)は、以下の手順で四つの標準不確かさの合成として求められる。 1) 測長器(例:ノギス)の校正標準不確かさ(mm) �(cc)

ノギスの校正証明書より、拡張不確かさ(U)は 0.02 mm(包含係数 k=2)であった。よって、

�(cc) =2 =0.022 = 0.01 mm

である。

(14)

2) ノギスの分解能の標準不確かさ(N) �(cr)

ノギスの分解能は、0.01 mm であった。その半値幅から標準不確かさ �(cr)を求めると、

�(cr) =0.01 mm2 × 1

√3= 0.00289 mm である。

3) 温度変動による寸法(幅)の標準不確かさ(mm) �(�T)

試験片は、室温の変化によって体積が変動する。ここでは 2 級許容差での状態調節及び試験環境によって引き起こされる不確 かさについて評価する。室温の変動の標準不確かさ(℃) �(t)は、23 ℃±2 ℃で矩形分布していると仮定。よって、

�(t) =2

√3 = 1.155 となる。

温度変動による寸法(幅)の標準不確かさ(mm) �(�T)は、試験室温の標準不確かさ(℃) �(t)から変換する感度係数が(プラス チックの熱膨張係数)×(試験片の幅の呼び長)となる。このとき、プラスチックの熱膨張係数は、23 ℃付近の熱膨張係数

23= 0.0008 /℃を用い、試験片の幅の呼び長さ b=10 mm であるので、標準不確かさ�(�T)は、

�(�T) = �23×� × �(t) = 0.0008 /℃ × 10 mm × 1.155℃ = 0.00924 mm となる。

4) 寸法表示(幅)の標準不確かさ(mm) �(�s)

寸法表示(幅)は、0.1 mm であった。その半値幅から標準不確かさ �(�s)を求めると、

�(�s) =0.1 mm2 × 1

√3= 0.0289 mm である。

5) 標準不確かさ �(�)

これまで求めた標準不確かさ �(cc)、�(cr)、�(�T)及び�(�s)を式(6.1.1)に代入し、幅測定の標準不確かさを求めると、

�(�) = ��2(cc) +2(cr) + 2(�T) + �2(�s) = �0.012+ 0.002892+ 0.009242+ 0.02892= 0.0321 mm (11) である。

6) バジェットシート バジェットシート 2

記号 不確かさの要因 標準不確かさ 感度係数 標準不確かさ 備考

�(cc) ノギスの校正 0.01 mm ノギスの校正証明書より、拡張不確かさ(U)

は0.02 mm(包含係数k=2)であった。

�(cr) ノギスの分解能 0.00289 mm ノギスの分解能は、0.01 mm

�(�T) 温度変動による寸法(幅) 0.00924 mm プラスチックの膨張係数は、0.0008 /℃であ った。温度変動は±2 ℃

幅(呼び)=10 mm

�(�s) 寸法表示(幅) 0.0289 mm 寸法表示(幅)は、0.1 mmまで測定した。

�(�) 幅測定 0.0321 mm 1 0.0321 mm

(15)

b) 厚さ測定の標準不確かさ(mm) �(�)

標準不確かさ �(ℎ)は、以下の手順で四つの標準不確かさの合成として求められる。 1) 測長器(例:マイクロメータ)の校正標準不確かさ(mm) �(mc)

マイクロメータの校正証明書より、拡張不確かさ(U)は 0.02 mm(包含係数 k=2)であった。よって、

�(mc) =2 =0.022 = 0.01 mm

である。

2) マイクロメータの分解能の標準不確かさ(N) �(mr)

マイクロメータの分解能は、0.01 mm であった。その半値幅から標準不確かさ �(mr)を求めると、

�(mr) =0.01 mm2 × 1

√3= 0.00289 mm である。

3) 温度変動による寸法(厚さ)の標準不確かさ(mm) �(ℎT)

試験片は、室温の変化によって体積が変動する。ここでは 2 級許容差での状態調節及び試験環境によって引き起こされる不確 かさについて評価する。室温の変動の標準不確かさ �(t)は、23 ℃±2 ℃で矩形分布していると仮定。よって、

�(t) =2

√3 = 1.155 となる。

温度変動による寸法(厚さ)の標準不確かさ(mm) �(ℎT)は、試験室温の標準不確かさ(℃) �(t)から変換する感度係数が(プラ スチックの熱膨張係数)×(試験片の厚さの呼び長)となる。このとき、プラスチックの熱膨張係数は、23 ℃付近の熱膨張係数

23= 0.0008 /℃を用い、試験片の幅の呼び長さ h=3 mm であるので、標準不確かさ �(ℎT)は、

�(ℎT) = �23×ℎ × �(t) = 0.0008 /℃ × 3 mm × 1.155℃ = 0.00277 mm となる。

4) 寸法表示(厚さ)の標準不確かさ(mm) �(ℎs)

寸法表示(厚さ)は、0.02 mm であった。その半値幅から標準不確かさ �(ℎs)を求めると、

�(ℎs) =0.02 mm2 × 1

√3= 0.00577 mm である。

5) 標準不確かさ �(ℎ)

これまで求めた標準不確かさ �(mc)、�(mr)、�(ℎT)及び�(ℎs)を式(6.1.2)に代入し、厚さ測定の標準不確かさを求めると、

�(ℎ) = ��2(mc) +2(mr) + 2(ℎT) + �2(ℎs) = �0.012+ 0.002892+ 0.002772+ 0.005772= 0.0122 mm (12) である。

(16)

6) バジェットシート バジェットシート 3

記号 不確かさの要因 標準不確かさ 感度係数 標準不確かさ 備考

�(cc) マイクロメータの校 0.01 mm マイクロメータの校正証明書より、拡張不確かさ (U)は0.02 mm(包含係数k=2)であった。

�(cr) マイクロメータの分解能 0.00289 mm マイクロメータの分解能は、0.01 mm

�(ℎT) 温度変動による寸法(厚さ) 0.00277 mm プラスチックの膨張係数は、0.0008 /℃であ った。温度変動は±2 ℃ 厚さ(呼び)=3 mm

�(ℎs) 寸法表示(厚さ) 0.00577 mm 寸法表示(厚さ)は、0.02 mmまで測定した。

�(ℎ) 厚さ測定 0.0122 mm 1 0.00122 mm

c) 標準不確かさ(mm) �(�)

これまで求めた標準不確かさ �(�)及び�(ℎ)を式(6.1)に代入して断面積測定の標準不確かさ �(�)を求めると、

�(�) = �ℎ22(�) + �22(ℎ) = �32× 0.03212+ 102× 0.01222= 0.1554 mm2 (13)

d) バジェットシート バジェットシート 4

記号 不確かさの要因 標準不確かさ 感度係数 標準不確かさ 備考

�(�) 幅測定 0.0321 mm 3 mm 0.0963 mm2 厚さ3 mm(呼び)が感度係数

�(ℎ) 厚さ測定 0.0122 mm 10 mm 0.122 mm2 幅10 mm(呼び)が感度係数

�(�) 0.1554 mm2

6.1.2.3 標準不確かさ(MPa) ��(�)

これまで求めた�(�)及び�(�)を式(1.1)に代入して、引張応力の標準不確かさを求めると、

cB(�) = ��122(�) + �−222(�)=��29.253012× 0.8382+�−29.2530112422× 0.15542= 0.2061 MPa

(14)

6.1.2.4 バジェットシート バジェットシート 5

記号 不確かさの要因 不確かさ 標準 感度係数 不確かさ 標準 備考

�(�) 測定荷重 0.838 N 0.034185 / mm2

0.02865 MPa

表2の試験片の初めの断面積の平均値29.2530 mm2 感度係数は 1

29.2530= 0.34185 /mm2

�(�) 断面積測定 0.1554 mm2

1.31349 N/ mm4

0.20412 MPa

表2の試験片の初めの断面積の平均値29.2530 mm2 表2の測定荷重の平均値1124 N

感度係数は 1124

29.25302= 1.31349 N/mm4

cB(�) 0.2061

MPa

(17)

6.1.3 合成標準不確かさ(MPa) (�)

これまで求めた式(9)及び式(14)を式(7)に代入して、合成標準不確かさ (�)を求めると、

(�) = ��cA2 (�) + �cB2(�) = �0.2612+ 0.2062= 0.3325 MPa

(15)

6.1.4 拡張不確かさ(MPa) �(�)

式(15)を式(8)に代入して、拡張不確かさ �(�)を求めると、

�(�) = � × �(�) = 2 × 0.3325 = 0.665 ≒ 0.7 MPa (16)

6.1.5 バジェットシート バジェットシート 6

記号 不確かさの要因 標準不確かさ 感度係数 標準不確かさ 備考

cA(�) タイプA評価 0.261 MPa

cB(�) 引張応力 0.261 MPa

c(�) 合成標準不確かさ 0.3325 MPa 0.3325 MPa

�(�) 引張強さの拡張不確かさ (k=2) 0.665 MPa

6.1.6 拡張不確かさの表記

試験所内比較試験の拡張不確かさの表記の方法を以下のとおりとした。 表記例

試験結果及びその不確かさ 38.4 MPa ± 0.7 MPa(ここで「MPa」は単位)、記号±に続く数は、包含係数 k=2 とした 拡張不確かさである。

6.2 依頼試験(試験報告書に不確かさの表示の要求があった場合)の見積もり事例

6.2.1 測定不確かさのタイプ A 評価の標準不確かさ(MPa) ��(�)

ある試験所では、試験を受託した際に、顧客の要求に「試験報告書に不確かさの表示をすること。」が記載されていた。受託試 験の手順書では試験回数 n=5 としていたが、試験回数 n=10 として測定不確かさのタイプ A 評価 cA(�)を見積もることとした。

このガイドでは、6.1 試験所内評価実験を行ったときと同じ試験片の規格、試験条件、校正、オペレータ及び装置であったと仮 定する。

(18)

a) 試験結果

表 3 に示す結果を得た。

表 3 (4) 試験片 10 個繰り返し測定データ

依頼品のプラスチックの試験片 10 個繰り返しの標準不確かさ

cA(�)を算出するためのデータ

備考

10 個の繰り返しデータ(MPa) 1 41.5 2 42.1 3 41.7 4 41.8 5 41.2 6 41.9 7 41.1 8 41.7 9 41.1 10 41.7

試験全体の繰り返し回数 10

引張強さの和 415.8 MPa 測定荷重の平均値 1217 N

試験片の初めの断面積の平均値 29.2653 mm2

試験片の呼びの厚さ 3 mm、幅 10 mm のものを使用した。 引張強さの平均値 41.58 MPa

引張強さの標準偏差 0.346 MPa

注 (4):表中のデータは実際の測定に基づくものではなく、架空のデータである。

b) 繰り返しの標準不確かさ(MPa) ��(�)

表 3 の結果から、複数採取した試験片の引張強さ測定値が 10 個で、その全体の推定母平均値 �̂ 及び推定母標準偏差��(�) を求めたところ、

�̂ = 41.58 MPa

��(�) = 0.346 MPa であった。

試験所の受託試験にけるルーチン業務の手順書では、1 名の試験片作製オペレータが 5 個を採取作製し、1 名の引張試験オ ペレータが 5 個測定し、n=5 の平均値を求めて試験報告値を作成することになっていた。よって、ルーチン業務での採取試験片 5 個の測定の標準不確かさ �cA(�) を想定して、式(3)を適用し √5 で除して求めた。

cA(�) =��(�)

√� = 0.346

√5 = 0.155 MPa (17)

(19)

6.2.2 引張応力の標準不確かさ(MPa) ��(�)

6.2.2.1 測定荷重の標準不確かさ(N) �(�)

測定荷重の標準不確かさ �(�)は、以下の手順で二つの標準不確かさの合成として求められる。 a) 引張試験機の校正不確かさ(N) �(��)

引張試験機の校正証明書より、拡張不確かさ(U)は 0.14 %(包含係数 k=2)であった。表 3 試験片 10 個繰り返し測定データで 引張強さ試験の繰り返し不確かさを求めたとき測定荷重の平均値が 1217 N であった。よって、

�(uc) =�(%)2 ×100(%)1 × 1217 N =0.14%2 ×100(%)1 × 1217 N = 0.852 N

である。

b) 引張試験機の分解能の標準不確かさ(N) �(��)

引張試験機の分解能は、1 N であった。その半値幅から標準不確かさ �(ur)を求めると、

�(ur) =1 N2 × 1

√3= 0.289 N である。

c) 標準不確かさ(N) �(�)

これまで求めた標準不確かさ �(uc)及び�(ur)を式(5)に代入し、測定荷重の標準不確かさを求めると、

�(�) = ��2(uc) +2(ur) =�0.8522+ 0.2892= 0.900 N (18) である。

d) バジェットシート バジェットシート 7

記号 不確かさの要因 標準不確かさ 感度係数 標準不確かさ 備考

�(uc) 引張試験機の校 正不確かさ

0.852 N 引張試験機の校正証明書より、拡張不確か

さ(U)は0.14 %(包含係数k=2)であった。測 定荷重の平均値が1217 Nであった。

�(ur) 引張試験機の分 解能の標準不確 かさ

0.289 N 引張試験機の分解能は、1 N

�(�) 測定荷重の標準不確か 0.900 N 1 0.900 N

6.2.2.2 断面積測定の標準不確かさ(mm2) �(�)

ノギス及びマイクロメータは、6.1 試験所内評価実験と同じものを使用し、校正値も同じであった。同様に試験条件も同じであっ た。このとき標準不確かさ �(�)は、式(13)と同じ値であるので、

�(�) = �ℎ22(�) + �22(ℎ) = 0.1554 mm2 (19) となる。

(20)

6.2.2.3 標準不確かさ(MPa) ��(�)

これまで求めた�(�)及び�(�)を式(1.1)に代入して、引張応力の標準不確かさを求めると、

cB(�) = ��122(�) + �−222(�)=��29.265312× 0.9002+�−29.2653121722× 0.15542= 0.2229 MPa

(20)

6.2.2.4 バジェットシート バジェットシート 8

記号 不確かさの要因 標準

不確かさ 感度係数

標準

不確かさ 備考

�(�) 測定荷重 0.900 N 0.034170 / mm2

0.03075 MPa

表3の試験片の初めの断面積の平均値29.2530 mm2 感度係数は 1

29.2653= 0.34170 /mm2

�(�) 断面積測定 0.1554 mm2

1.42097 N/ mm4

0.2208 MPa

表3の試験片の初めの断面積の平均値29.2530 mm2 表3の測定荷重の平均値1124 N

感度係数は 1217

29.26532= 1.42097 N/mm4

cB(�) 0.2229

MPa

6.2.3 合成標準不確かさ(MPa) (�)

これまで求めた式(17)及び式(20)を式(7)に代入して、合成標準不確かさ (�)を求めると、

(�) = ��cA2 (�) + �cB2(�) = �0.1552+ 0.22292= 0.271 MPa

(21)

6.2.4 拡張不確かさ(MPa) �(�)

式(21)を式(8)に代入して、拡張不確かさ �(�)を求めると、

�(�) = � × �(�) = 2 × 0.271 = 0.542 ≒ 0.6 MPa (22)

6.2.5 バジェットシート バジェットシート 9

記号 不確かさの要因 標準不確かさ 感度係数 標準不確かさ 備考

cA(�) タイプA評価 0.155 MPa

cB(�) 引張応力 0.2229 MPa

c(�) 合成標準不確かさ 0.271 MPa 0.271 MPa

�(�) 引張強さの拡張不確かさ (k=2) 0.542 MPa

(21)

6.2.6 拡張不確かさの表記

試験所内比較試験の拡張不確かさの表記の方法を以下のとおりとした。 表記例

試験結果及びその不確かさ 41.6 MPa ± 0.6 MPa(ここで「MPa」は単位)、記号±に続く数は、包含係数 k=2 とした 拡張不確かさである。

7 参考文献

ISO/IEC Guide 98-3:2008 測定における不確かさの表現のガイド

ISO/IEC Guide 99:2007 国際計量計測用語-基本及び一般概念並びに関連用語(VIM)

JIS K 7100:1999 プラスチック-状態調節及び試験のための標準雰囲気

JIS K 7153:2008 プラスチック-試験片の直線寸法の求め方

JIS K 7161-1:2014 プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則

JIS K 7161-2:2014 プラスチック-引張特性の求め方-第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチックの試

験条件

JIS Z 8402-3:1999 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)-第3部:標準測定方法の中間精度

ASG104 不確かさの入門ガイド

(22)

今回の改正のポイント

平成26年9月22日に、JIS K 7161:1994及びJIS K 7162:1994が廃止され、JIS K 7161-1 プラスチック-引張特性の求め方

-第1部:通則及びJIS K 7161-2 プラスチック-引張特性の求め方-第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチックの試験 条件が制定されたことに伴い、以下の通り改正することとした。

1 様式の見直し

今回の改正で、以下の通り変更した。 1.1 標準不確かさの記号について、

標準不確かさの記号の様式を変更した。例として、測定荷重の標準不確かさをから�(�)としたように、下付文字をなくした。な お、評価しない標準不確かさの記号はなくすようにした。

1.2 項立ての変更

一つの項の中にあった複数の手順を項番号に枝番号を付して別の項立てとした。同時に複数の手順が一つのバジェットシート にあったので、それぞれの項にバジェットシートを載せた。

1.3 プラスチックの引張試験の操作例について、

プラスチックの引張試験の操作例を適用範囲の次に載せた。試験方法の概要を初めに説明した方が理解しやすいと判断した。

2 項目の削除

要因分散分析について「当該要因で有意差が見られなかったので,全体の数値群の推定標準偏差から繰り返しの標準不確か さを求める。」という前提で標準不確かさを求めていたが、実際の試験において有意差が出た場合や,交互作用だけ有意差が出 たときの扱いを決める必要があるにもかかわらず、決め切れていなかった。さらに環境温度要因を追加した場合、三元配置の繰り 返しとなったとき、コンピュータ計算ソフト(EXCELの分析ツール等)でも対応できなくなる。要因分析の要因を追加すればするほど、 分散分析を行って様々な分析結果への説明がますます困難となることが判明した。

今回の改正では、以下の要因分析を削除した。

2.1 環境要因の分析について

引張試験の環境条件がJIS K 7100:1999「プラスチック-状態調節及び試験のための標準雰囲気」の4. 標準雰囲気の表1の 標準雰囲気(23/50)及び5.2 標準雰囲気の2 級許容差(±2 ℃、±10%)にしたがって、温度23 ℃±2 ℃、相対湿度50 %±10 %で状態調節及び試験されることから、「室温の差が標準化され、影響が減らされている。」と考え、要因分析の対象から外した。

ただし、温度環境の変動が寸法に与える要因として温度変動による寸法標準不確かさを特定し、タイプBの不確かさとして考慮 する事例を示すこととした。

2.2 試験片作製オペレータ及び試験オペレータの要因分析について

環境が標準化されているとき、4つの重要な因子(時間、校正、オペレータ、装置)が測定のばらつきに寄与していると考え、オペ レータが異なる場合だけの再現性を考え、オペレータの再現標準偏差から求めた不確かさを繰り返しの標準不確かさとすることと した。

参照

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